心の奥にじんわり染みる小国町の魅力ー北里柴三郎記念館、鍋ケ滝、裕花、和の花
熊本県阿蘇郡小国町は、深い山々に抱かれた静かな町。
日田や八女、玖珠方面から阿蘇・九重へ向かうとき、ふと立ち寄ることになる場所だ。黒川温泉にもほど近く、国道沿いに立つ円柱形の「道の駅 小国」は、この町のランドマーク。旅の途中で何気なく立ち寄った人も多いだろう。
けれど、この町はただの通過点ではない。人の暮らしのリズムがゆるやかで、自然と人の距離が近い。“こんな場所で、もう少し自分の時間を大切にしてみたい”――そんな思いを抱かせる不思議な魅力がある。今回は、そんな小国町の中でも、旅人の心に残る4つのスポットを紹介したい。
●北里柴三郎記念館
まず訪れたいのが「北里柴三郎記念館」。小国町が生んだ世界的細菌学者・北里柴三郎の功績を紹介する記念館だ。破傷風菌の純粋培養や血清療法の確立など、近代医学の礎を築いた彼の歩みを、資料や実験器具、写真を通してたどることができる。
隣には生家も残されており、明治の家屋の静けさの中に、学びへの情熱や故郷への思いを感じられる。この町から世界へ羽ばたいたひとりの人間の物語は、きっと今の自分の暮らしを見つめ直すきっかけにもなるだろう。
●鍋ヶ滝(なべがたき)
自然の中で心をリセットしたいなら「鍋ヶ滝」へ。幅約20メートル、高さ約10メートル。滝の裏側に回り込める“裏見の滝”として知られている。透き通る水のカーテン越しに外の光を眺めていると、時間の流れがふっとゆるむようだ。
春は新緑、夏は涼やかな霧、秋は紅葉、冬は澄んだ空気。季節ごとに表情を変えるこの滝は、9万年の阿蘇自然史が語りかけてくるような偉大さを持っている。
●岳の湯地獄谷温泉 裕花
森の中に佇む湯屋で森林浴気分で湯浴みを楽しみたいなら「岳の湯地獄谷温泉 裕花」へ。大露天風呂へ続く母屋を中心に離れの貸切温泉があり、貸切温泉はなんと24時間楽しめる。
木々のざわめきを聞きながら湯船に浸かる時間は、まさに“自分を取り戻す”ためのひととき。お湯は肌にやわらかく、心までほぐれていく。「こんな温泉が日常のすぐそばにある暮らし」を想像すると、それだけで胸が少しあたたかくなる。
●和の花
そして旅の締めくくりには、ファームロードわいた沿いにある「和の花」へ。木の温もりを感じる店内でいただく手打ち、手切りのもりそばや、天然の蒸気でじっくり蒸した鶏が人気だ。
窓の外には、穏やかな山の稜線。観光客も地元の人も同じようにくつろぎ、時間の流れがゆるやかに混ざり合っている。テラス席でお茶を飲みながら眺める風景に、ふと「このまま暮らしてもいいかも」と思わせる空気がある。
◎自然、歴史、温泉、そして人の温もり。
どれも派手ではないけれど、心の奥にじんわりと染みる小国町の魅力。この町を旅したあとには、少し違う風景が自分の中に残っているはずだ。
| 会場 | 小国町商工会 他 https://ogunishoko.jp/ 〒869-2501 熊本県阿蘇郡小国町宮原1754-14 ※Googleマップの仕様により場所名が異なって表示される可能性があります |
|---|---|
| 入場料/料金 |
有料 ・北里柴三郎記念館/一般・大学生:800円、小中高校生:400円、小学生未満:無料 |
| お申込み | ・北里柴三郎記念館:0967-46-5466 ・鍋ケ滝:https://ogunitown.info/nabegataki/ ・岳の湯地獄谷温泉 裕花:0967-46-4520 ・和の花:0967-46-5787 |
| お問い合わせ |
小国町商工会 TEL 0967-46-3621 |



